カルナップは形而上学に積極的な意味を与えることに反対していて、人間の能力を超越した問題を提起することよりもより実践的な課題に専修するべきであると提言しています。そして、全体としての形而上学は疑似命題となっているという論証を
形式論理学と構文論を根拠に構築しています。
まず初めに、彼は有意味な単語Sを仮定し、その定式化の方法を次のようにまとめ上げています。
1.Sから演繹可能な文、またどのような文からSが演繹可能か(通常の定式化
2.Sの真・偽はどのような条件で決定するか (論理学的方法
3.Sはどのようにして検証されるか (認識理論
4.Sの意味とは何か (哲学、現象学的方法
そして、意味のない形而上学的単語はどのような性質を持っているかを検証します。
例えば、“原理”という単語の定義を求めるとこれに“xはyの原理である”という構文を与えることができますが、では原理であるということは“~が生じる”、“~が・・・の為に実在する”といった様に多義的であいまいにならざるを得ないと指摘しています。
こうした言葉には明確なイメージが付与されていないにもかかわらず、言葉の語幹から連想されたイメージと感情をほのめかすことによって意見有意義な主張をしているかのように見せかけているのだと結論しています。
(続く